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今月のコラム

ダムの役割  2020.8.3
フィールドエンジ課 松場 威人

 私は山深い自然豊かな場所で生まれ育ちました。川の傍に小さな集落が点在しており、山間部によく見られるダムがいくつもある地域です。私の実家は発電用ダムの下流1キロくらいの川沿いにあります。毎日ダム湖の横を通って学校へ通い、放流のたびに昼夜を問わず鳴り響くサイレンを聞きながら生活していました。
 さて、このように身近な存在だったダムの種類ですが、大きく分けて2種類あります。発電の他に灌漑などを目的とした利水目的ダムと、川の水量を調節することを目的にした治水目的ダムです。もっと細かい分類では、洪水の調整(F)、流水の正常な機能の維持(N)、農業(A)、上水道(W)、工業(I)、発電(P)という目的別に分けられます。また複数の目的を有している場合は多目的ダムとなります。
 ところで、前述した通り洪水調整を行えるのは、洪水の調整(F)を目的としたダムだけでしたが、近年の豪雨災害を受けて、他のダムであっても洪水の調整に積極的に利用するべく、ダムの運用方法が見直されてきています。しかしながら、利水容量の確保、ダムの構造(洪水吐の位置)の他に、降雨予測の難しさの問題があるとともに、下流域への影響を緩和するための放流期間が必要なことも重なり、効果的な運用ができない場合もあるようです。
 これらの諸問題が一つ一つ解決されて、効果的な運用ができるようになったとしてもダムに貯えることができる水量には限界があります。予想に反しての大雨となり、ダムの貯水量が満杯になった場合、流入量をほぼそのまま放流する、いわゆる緊急放流が実施されます。この時には、ダムを守るために下流の被害はある程度容認する状況になります。
 私の実家の上流のダムでも、15年程前にこのような状況になりました。当時実家に住んでいましたが、橋脚に流木や岩がぶつかっているであろうゴーン、ゴーンという音が濁流の音と共に聞こえていました。しばらくすると、停電とともに固定電話回線も不通となったため、巡回していた消防署員と相談し近所の人と一緒に避難しました。人的被害は無かったものの、道路や鉄道の線路には甚大な損害が発生しました。
 現在では、あちこちに観測機器が設置されており、降雨状況や河川水位が誰でも確認できるようになっています。ダムや堤防があるから大丈夫と過信することなく、日頃から備え、早めに判断し避難することが重要です。災害レベルの自然現象に対しては、人間は無力な存在なのですから。

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